1998年3月

1日(日)
お天気がよかったので散歩がてら
近所の文房具店へサインペンを買いに
由紀子の手をひいて歩いて行った。
足取りがしっかりして歩くのが楽しかった。
帰りにアイスを買って上機嫌の由紀子だった。
夜、私が熱を出して由紀子はお父さんと寝ることになった。

2日(月)
私が熱を出して昨日一緒に寝てやれなかったせいか、
朝は私を完全無視。
お父さんに送ってもらう車の中でも
横に座っていながら顔はずっと外を見て私を見ない。
そんなに怒らなくてもいいじゃないか!
園でも1日「おかあさん」といって落ち着かなかったらしい。
やっと熱も下がったし今日はしっかり抱いて寝てやった。

3日(火)
今日はおひなさま。
園長先生からお祝いのももカステラをいただいたので
お礼を行って帰ろうとすると、
いつもと違う道順にパニックになってしまった。
ほんの10m横に寄っただけなのに。

4日(水)
療育センタ−で川崎先生にいろいろアドバイスをいただいた。
物語の終わりを怖がることの意味が、
物語の中に自分自身が入り込んでしまって、
物語が終わると自分も死んでしまうような恐怖があると聞いて、
そうだったのかと思った。

5日(木)
保育園でバケツにつまずいて転び水をかぶってしまったらしい。
その時、先生の名前を何回もよんで助けを求めたと聞いてうれしく思った。
何かあったときに助けが呼べる事は大切な事だと、思うから。

6日(金)
今日の保育園のおやつは由紀子が苦手なぜんざいだったそうで、
無理して食べているうちに吐いてしまったらしい。
先生は風邪の前ぶれではないかと心配してくださったけれど、
帰宅してしばらくすると「おなかがすいた」といって
おやつをせがんでポテトチプをいっぱい食べて夕飯が入らないほどでした。

7日(土)
夕食後マジックでお絵かきをしていたので
「お父さんを描いてよ」というと、
いつもの丸を描いたので
「お父さんてメガネかけてるよね」とつい口を出してしまった。
すると大きな丸の中に小さな丸を描いて、点々で目を入れた。すごい!

8日(日
朝から風船をほしがってうるさいので
文房具やさんに買いに行ったけれど品切れでない。
なんとかハサミでごまかして帰宅する。
絵本がハサミで切られてぼろぼろになってしまった。

9日(月)
あしたはいよいよN井先生が保育園に来る日です。
S野先生も少し緊張しているみたい。
私は由紀子がN井先生を見て泣かないかが心配。
天気も悪いし・・・・心配なことばかり。

10日(火)
やはりジェットフォイルが欠航でN井先生の来島は中止。
1日気が抜けてしまってボーとして過ごしてしまった。
でも、昼からはもっとひどくなってフェリーも欠航だったみたいだし、
中止でよかったのかもしれない。

11日(水)
朝、保育園に行く前におしっこに行くように言ったのに
「おしまい」と言ってそのまま登園したら
朝一番におもらしをしてしまったらしい。
久し振りに洗濯物をもって帰ってきました。

12日(木)
少し風邪気味なのがきになる1日だった。
水疱瘡の予防接種を福江の浦医院で受けられるようになった。
来週受けることにしているのでそれまで元気でありますように。

13日(金)
今年度最後の療育センター。
この春からセンターに通うことになったというT中さんと船の中であった。
同じ保育園に入園する予定ということなので、これからいろいろなことが話せると思う。
言葉の検査をしていただいて、
年齢相応の言葉の理解ができているといわれてうれしかった。
課題には相変わらず応じないけれど、
何かひとつでも年相応のことがあるのはホッとする。

14日(土)
卒園式。在園児の送る歌の時に
一人で踊って楽しそうだったけれど、
私は冷や汗ものだった。
退場のときにはスカートをめくってパンツの中に手を突っ込んで
お尻を掻きながら歩いていた。
式の間おとなしく座っていたのでこれくらいは許してやろうと思うが。

15日(日)
保育園の抽選会だった。
市内の保育園の中でうちの保育園だけが抽選だった。
障害児は優先的に入園させましたの説明があった。
療育手帳を持っていないので由紀子は抽選になったらしい。
来年から船賃もかかるので手帳の申請を考えようと思う。
就学相談のことを考えても早くしたほうがいいかもしれない。

16日(月)
水疱瘡の注射をしに浦医院へ由紀子を連れていく。
川崎先生の紹介状があったのでひきつけの事など先生も納得して打ってくださった。
個人的にお願いしたので料金が高いのではないかと思っていたが5000円でいいといわれた。安い!

17日(火)
センターの川崎先生に腕の力が弱いから、
手押し車を意識して遊びの中に取り入れたほうがいいと言われ
何度かやってみたがうまくいかない。
今日、由紀子が大きなボールの上に腹ばいになって手をついて足を上げていた。
手押し車の形で手に力が入っているのがわかる。
いいぞ!いいぞ!

18(水)
土田先生の講演会だった。
O上先生とS野先生が来てくださった。
終わった後
「ゆきちゃんが、療育センターでやっている事がよくわかってよかったです。」
といわれた。一緒に育っててくださる人たちです。
心強い見方です。

19日(木)
由紀子がコンサートの時になついていた「はじめちゃん」に偶然会った。
日帰りをするといっていたので由紀子を連れて最終のフェリーの見送りにいった。
泣くかもしれないと思ったが、あった瞬間「はじめちゃん」とつぶやいて照れていた。
やはり、由紀子の初恋か?

20日(金)
今日は保育園の遠足の予定だったのに雨!
すごい天気でジェットフォイルも欠航だった。
遠足に合わせて療育センターを早く済ませておいてよかった。
保育園から帰った由紀子が
『お弁当!食べたの!そうよかったね!
と話してくれた。

21日(土)
今日はお休み。
いつもお休みに何か楽しい事をしてやろうと思うのだけれど、
遊びをしかけていっても、絵本を読んでやろうとしても
『おしまい!』と拒否されてしまう。悲しい!

22日(日)
お父さんと3人で富江の温泉に行った。
はじめは、大きなお風呂に戸惑っていたけれど
しばらくすると楽しそうにぷかぷか浮かんでいた。

23日(月)
今日は転勤の内示の日。
多分大丈夫だろうと思っていたけれど、やはりドキドキしてしまった。
何とか今年までは現状維持のようで、
由紀子も今まで通り保育園に行ける。
でも、今年の担任は誰だろう。
O上先生はやはりT中さんのクラスを持つのだろうか…・。
すると1階になる。
2年前、あの先生に救ってもらった。
だから今度はT中さんが…・・。と思いながら、
やはり由紀子の側にいてほしいと思ってしまう。

24日(火)
保育園では今日お別れ会があっていた。
年長さんたちともそろそろお別れです。
由紀子のめんどうを見てくれて本当にありがとう。

25日(水)
最近マジックを使って良くお絵描きをしているけれど、
ほとんど絵本を塗りつぶす事に夢中になっている。
おかげで絵本は真っ赤だったり,
真っ青だったり好きな絵本ほどひどいことになっている.
でも、ほんの数ヶ月前はまじっくを持とうともしなかったのだから
これはすごい成長だと思う。
自分の本に限って許そうと思う。

26日(木)
保育園が工事中で玄関がいつもと違うところになった。
朝にその玄関にたどり着くまでが大変。
壁にへばりついて離れない。
いつもと違う事が苦手な由紀子です。

27日(金)
今日から保育園が教会の中にお引越しです。
2日間の事だけど由紀子にとっては大問題。
今日は尾上先生の顔を見てなんとかクリアーできたようだ。
水遊びをしたらしく体操服はビショビショ。
S野先生は申し訳なさそうだったけれど、我が家ではいつもの事です。

28日(土)
午後から保育園の説明会だった。
今年から入園式をなくすのだそうだ。
担任の先生は4月1日まで内緒だそうで・・…。
説明会が終わって帰宅すると
由紀子が頭から水をたらしながら迎えに出てきた。
洗面所で頭を洗ったらしい。

29日(日)
夕方トイレに行った由紀子の表情が辛そうなので
「どうした?」と声をかけたら「おなかがいたい」と答えた。
おなかがいたいのは心配だけれどきちんと答えた事がうれしかった。
トイレに座ったまま私にしがみついて痛みに耐えた由紀子でした。

30日(月)
英語教室の勧誘の電話が掛かって来た。
由紀子を通わせるようにしつこいので
「うちの子は自閉症なので・…。」と答えたら、
「おかあさん!そんな子が直ったりするんですよ!」といった。
すごく頭に来たので「もう結構です。」といって電話を切った。
その直後に療育センターから電話が掛かってきた。
取り次いだ娘に「誰から?!」と大きな声で言ってしまったが、
きっと電話の向こうにも聞こえたでしょう。
失礼しました。

31日(火)
今日は保育園がお休み。
たった1日の春休みです。
またなんとなく過ごしてしまった。