最近出かけることを嫌がるようになっている由紀子です。
夏休みに入って、外に出たのは数えるほどしかありません。
でも、今日はどうしても一緒に行ってもらいたい場所がありました。
嫌がる由紀子を何とか説得して久々のお出かけです。
一つ目は音楽レッスンを受けるための会場の下見です。
実は、今まで現川で受けていた音楽療法を大村でやっていただけることになったのです。
バスも電車も嫌がるようになった由紀子はここ数ヶ月、音楽療法を受けていません。
何とかJRで現川に行けたとしても、電車の中で受けたストレスのおかげでレッスンの時にはピアノの音を受け入れられなくなってしまうのです。
それでも、音楽療法を続けたいと思う私の気持ちを知って、H崎先生は自分が大村に来てレッスンを続けようと言ってくれました。
そして、大村のお友達のピアノ教室を月に一回借りてくださったのです。
新しいレッスン場は由紀子の学校と我が家との間にあって、学校の帰りにそのまま連れて行くことができそうです。
そして、そこにはグランドピアノが置いてありました。
初めての場所に緊張した由紀子は、「歌わないの!」「ピアノを弾かないの!」と言いましたが、結局最近お気に入りの曲、「哀しい人」という歌をしっかりひとりで歌って帰ってきました。
レッスン場を提供してくださる、H崎先生のお友達にもいっぱい誉めていただきました。
哀しい人・・・ご存知ですか?
少し前に火曜サスペンス劇場の主題歌として、中村雅敏が歌った曲です。
♪哀しい人、君のそばにいよう
なぐさめることも できないけど
みつめているから
もう自分を許してあげればいいだろ、
子どもじゃなくても 泣いていいんだよ。♪
なんだか由紀子が歌うと、今の自分のために歌っているようでジーンとします。(ノ_・、) うるうる
新しいレッスン場で由紀子が歌えた事もあって、9月2日からレッスンを再開することになりました。
この会場に泣き声ではなく、由紀子の歌声が響くことを願うばかりです。
これで、家に戻れると思ったゆきちゃんですが・・・実はもう一つ付き合ってもらわなければならない用事がありました。
それは学校です。
夏休みに由紀子のためのケース会議が開かれるのですが、その準備のために今日は担任の先生と、学部主事の先生との打ち合わせが予定されています。
母はどうしても参加しなければなりません。
由紀子の体調がいい、今しかチャンスはありませんから・・・。
由紀子にそのことを話すと、
「給食は?」
「体操服に着がえる?」
といろいろな質問をして、どれもしなくていいことを確認したら、黙ってついてきてくれました。
先生方は今までの養護学校のプログラムを見直して、由紀子のための個別のプログラムを立てて下さろうとしています。
今日は校長先生ともお話をさせていただきました。
「今回のことが学校が変わっていくきっかけになってくれると思っています。」と、言っていただきました。
用事を済ませて、帰宅しながら、しみじみと由紀子は幸せだと思う母です。
みなさんが、こんなに必死に由紀子のために手立てを考えて下さろうとしています。
みなさんの気持ちに心から感謝します。
ありがとうございます。
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