2005/4/1(金)
      ご無沙汰しました。
  
引越しの慌しさにかまけて日記を2ヶ月もサボってしまいました。 
6年生最後の学校での生活や、大きなイベントである卒業式の様子を日記にとどめることができなかったことをとても残念に思っています。 
いつも由紀子の様子を気にかけて日記を読みに来てくださっているみなさんには本当に申し訳ありませんでした。 
 
この2ヶ月間の様子を少しだけここに書いておきたいと思います。 
 
※2月の始め 
由紀子に引越しのことを伝えました。 
詳しい話をしても理解できないので「3月の卒業式が終わったら大村というところへ引越しをします。」とだけ伝えました。 
その時、本を読んでいた由紀子がパッと私のほうを見て一言 
「引越し?」といいました。 
その真剣な表情に一瞬言葉が出ない母でした。 
 
そして、一呼吸置いて「わかった!」と答えてまた本を読み始めた由紀子。 
あの「引越し?」と聞き返した時に由紀子は他にも何かいいたいことがあったのではなかったのか・・・会話がもっと上手にできたなら由紀子の本当の気持ちが聞けたかもしれないのに・・・ 
それがとても残念でなりません。 
 
その数日後、過労から母(tomi)がひん脈の発作を起こしてちょっとビックリ。かかりつけの病院から専門の病院へ回された時にはどうなるかと思ったけど、処置の前に自然に止まってしまい何の処置もせず帰ることに・・・。帰る時にお医者さんが言いました。 
「次の発作が起きたらこの薬を飲んで、4時間たっても止まらなかったら受診してください。」 
(・_・) エ? 4時間? そんなもん? 
なぁ〜んだ!死ぬような発作じゃなかったのか…と安心してたら 
「でも、あの野球の長嶋さんはこの発作を繰り返して脳梗塞を起こしたんですよ!」としっかり釘を刺されてしまいました。 
「はい!気をつけます。」 
 
※2月中旬 
学校で卒業式の練習が始まりました。 
卒業が何なのか理解できない由紀子はどんどん不安定になっていきました。 
特殊学級に行きたくないと言って、一日中交流学級に居たかと思うと、数日後には交流学級に行きたくないと言って特殊学級にこもってしまう・・・そんなことを繰り返していました。きっと何処に居ても気持ちが落ち着かなかったのかもしれません。 
家に帰れば、引越しの準備で家の中はダンボールがいっぱい。 
母は姉たちの引越しの準備に追われて、出かける用事が多くなって由紀子にゆっくりかかわってやることもできません。 
由紀子には本当に辛い日々でした。 
 
※3月初旬 
12年間ずっと一緒だったまーまーが独立して家を出て行きました。 
由紀子にとって姉であり、一番身近なライバルだったまーまー! 
けんか相手が居なくなって淋しくなりました。 
そして、まーまーと入れ替わりに熊本からねーねーが戻ってきました。 
2人が入れ替わっただけで、家庭のリズムが変わります。 
由紀子の試練は続くのでした・・・。 
でも、この頃には由紀子にも卒業の意味がわかるようになって、自分から「中学生になる」という言葉が出るようになっていました。 
 
3月17日 卒業式 
朝からひどい雨が降って、登校するのも大変な状態で、式の間も体育館に雨音が響いてうるさいほどでした。 
そんな中でも由紀子は落ち着いて、立派に卒業生として参加をしました。 
卒業証書をもらう前に決意発表があります。 
「私は中学生になったら、また新しい友達ができるうようにがんばります!」 
大きな声で発表ができました。 
先生やお友達にたくさん「さようなら!」を言いました。 
その時は気がつかなかったのですが、この「さようなら」の繰り返しの中で、由紀子はすでにこの学校の思い出を心の中に封印する作業を始めていたようです。 
卒業式の後、クラスで企画されていたボーリング大会には、もう参加できなくなっていました。 
本当に悲しい心の作業です。 
 
3月19日 
由紀子のストレスがピークに達する中で、引越しが始まりました。 
 
 
ここまで一気に書いたらさすがに疲れました。 
続きはまた明日にします。 
 
 
 
 
 
  

 

 
  2005/4/2(土)
      昨日の続き
  
3月19日 
長崎から大村へ引っ越してきました。 
由紀子は家が変わったことへの抵抗はそれほどでも無かったようで、家族が荷物を片付けている間、もくもくとジグソーパズルを作り続けていました。家が変わるのは今回で4度目ですから、家への執着はそれほど無いのかもしれません。 
ただ、毎回のことですがトイレだけは慣れるのに時間がかかります。 
2週間たった今でも夜にトイレから戻ってくる時は駆け足で帰ってきて、必ず「あ〜怖かった!」といいます。(笑) 
 
家の中ではそれほどの問題はありませんが、ただ・・・家から外にぜんぜん出ようとしないのです。何処に誘っても「いや!」の一点張りです。 
ただただ、家の中でパズルとパソコンをして過ごす日が10日以上続きました。 
(唯一、長崎で通い始めたクレインハーバーに行く時だけは必死に説得をして連れ出すことができました。) 
 
このままの状態で新学期が来たらどうしよう・・・。 
私の中でどんどん不安が高まっていきました。 
私が不安になると由紀子もまた揺れてきます。完全に悪循環です。 
 
一時期、治まりつつあった自傷もまたひどくなりました。 
拳骨で自分の頭をがんがん叩きまくるのです。 
それを止めようと私の手で由紀子の頭をカバーしたら、まともに叩かれてしまい腕に青あざができました。痛かった〜! 
 
由紀子のために引越しをしたはずなのに、こんなに由紀子が辛い思いをしている・・・。 
本当に引越しを決めてよかったのだろうか・・・。 
考える度に涙が出てきました。本当に落ち込んでしまいました。 
 
でも、時間というのはありがたいものです。 
10日目を過ぎた頃から少しずつ由紀子に変化が見られるようになりました。 
買い物に誘った時に「行く!」「行かない!」「行く!」……と、迷い始めたのです。今がチャンスだと思いました。 
そこで、以前紹介してもらっていた歯医者さんに行くことにしました。 
JRで2つ先の駅まで行って、そこからタクシーで行く。 
それを条件に由紀子も何とか納得してくれました。 
 
そして、その日から少しずつ外に出られるようになってきました。 
ただ、目的地まで絶対にタクシーか車でなければなりません。 
 
そんな由紀子と私の格闘を見ていたゆきパパが、車をもう一台買うことを提案してくれました。 
学校の送り迎えは当初、路線バスでするつもりだったのですが、この状態では難しいだろうということです。 
私の体力とストレスを考えてもそのほうがいいと言ってくれるので、甘えることにしました。 
 
今日は温泉に連れて行ってきました。 
相変わらず車の中でも、外の景色を見ることができず、ずっと下を向いたままの由紀子ですが、固まってしまった心が少しずつ緩んできているのは確かです。 
新学期まであと一週間! 
もう振り返っている時間はありません。 
がんばらなければ・・・。
  

 

 
  2005/4/3(日)
      耳をおさえて!
  
長崎県の大村といえば長崎空港です。 
我が家のねーねーの部屋からは飛行機の離陸が見えます、 
今日は空港へ見学に行きました。 
由紀子にはスーパーにチラシ(ちらし寿司じゃなくて、広告のちらし)があるとうそをついて・・・。(ごめん!) 
長崎空港は海の上にあります。正確には島にあるのですが、長〜い橋を渡って行きます。 
その途中で飛行機が着陸態勢に入って降りてきました。 
滑走路に車輪がつく瞬間が見えました。ゆきちゃんちょっと喜んでました。(笑) 
 
空港の中は人がいっぱい、でもチラシはハウステンボスのチラシしかありませんでした。(本当にごめん!) 
 
不満げな由紀子のために帰り道でスーパーに寄りました。 
懸賞のチラシをご機嫌で集め始めたのはいいのですが、しばらくすると由紀子が苦手な歌が流れはじめました。 
しばらくは自分で耳を押さえていたのですが、両手で耳を押さえたらチラシを取ることができません。 
さて、どうしたものか・・・・考えた由紀子は一緒にいたねーねーに 
「ねーねーが耳を押さえるんだよ!」 
ねーねーは(・ ・)え? 
そうです、自分はチラシを取りたいから、ねーねーに自分の耳を押さえてくれと言っているのです。(笑) 
 
由紀子の後から耳を押さえて歩くねーねー。 
なんとも変な感じです。(笑) 
しばらくその状態でスーパーの中を歩いていたのですが、途中で由紀子が首を振っています。 
(・ ・)え? 
曲が変わったので耳を離せと言っているのですが、ねーねーが気付かないのです。 
すると・・・無言のまま天井を指差してねーねーに「気がつけよ!!」と言いたげな様子!(爆) 
やっと気がついて耳をはずしてもらった由紀子ですが、これではまるでねーねーはお付の侍従のようですよね!(笑) 
 
その後ねーねーが言ってました。 
「由紀子の耳を押さえるのは難しいんだよ!耳たぶを耳の穴に押し込むようにして押さえるんだから・・・。」 
みんなで試してみたんですが、音を遮断するのにはとても効果的でした。 
_(#‥# ) ナルホド・・
  

 

 
  2005/4/8(金)
      中学生になりました。
  
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今日は入学式! 
由紀ちゃんついに中学生になりました。 
v(*^-^*)ゞ*'゜☆イエイ☆ 
由紀子が新しく通うことになった学校は、大村市にある養護学校。 
長崎県下一のマンモス養護学校です。 
中学一年生は22名 4クラスもあります。 
由紀子は1年3組で、在籍者は5名。 
担任の先生は男性と女性の先生が2人です。 
(名前は由紀子の呼び方を確認してから・・・。) 
 
長かった春休みの間、環境の変化の中で自傷がまたひどくなって、毎日頭を叩き続けていました。 
そして、昨日まで学校へは行かないと言っては母を困らせていたのですが、今朝になると「入学式が終わったらお家に帰ろうね!」と言って、素直に着替えをして笑顔で車に乗り込みました。 
ちょっとビックリでした。 
入学式の間もクラスに入っても、今日の由紀子はとても落ち着いていました。 
昨日までの由紀子とは別人のようでした。 
 
そんな由紀子を見ながら、母は考えていました。 
もしかしたら由紀子は、昨日まで新しい学校のことが不安でたまらなかったのかもしれないと・・・。 
思い出してみれば、今まで学校の新学期の初日はいろいろな行事がいっぱいでした。 
いろんな先生からたくさんの指示やお話があるのですが、その話の内容や次の行動の指示などが由紀子にはよく理解できませんでした。 
それでも今まで回りのお友達に助けてもらいながらなんとか乗り切ってきました。 
その頼りにしているお友達とお別れをして、新しい学校で新学期を迎えることは由紀子にとっては大きな不安だったと思うのです。 
 
でも、今日はずっと由紀子にもわかるような形で指示が出されます。 
入学式もとても簡潔で短時間で終わりました。 
教室に戻っても爪を噛みながら耐えるような時間はありませんでした。 
それは由紀子にとって居心地がいいことなのかもしれません。 
 
由紀子の意思を確認しないまま決めた養護学校への進学でした。 
でも、これでよかったのかもしれないと思うことができてちょっと救われた気持ちになった母でした。 
 
ただ、やはり由紀子を支え続けてくれた子どもたちが、もう学校の中にはいない事がとても淋しく思えました。 
これは由紀子も同じ気持ちだったと思います。 
あらためてみんなにお世話になったことに感謝したいと思います。 
 
月曜日から本当に新しい生活が始まります。 
今日のように落ち着いた日ばかりではないと思いますが、すこしでも由紀子が楽しく暮らしていけるように心から祈りたい気持ちでいっぱいです。 
 
  

 

 
  2005/4/11(月)
      今日から学校
  
入学式の後にお休みが続いて今日が学校の初日です。 
ちょっと緊張をした顔で教室に入って行った由紀子ですが、担任の先生のお話ではとてもおりこうさんだったようです。 
家で頭を叩きながらイラついている由紀子の顔はなかったようです。 
 
ちょっとホッとしたものの、たぶん慣れてきてから荒れるのだろうなぁ・・・と、心配でもあります。 
 
新しい学校でもう一つ新しいことを始めました。 
由紀子を学童に預けることです。 
この養護学校には同じ敷地内に父母の会が運営している学童があります。 
下校時間に担任の先生のところから、学童の部屋まで連れてきてくれて最高5時半まで面倒をみてくれます。 
 
引越しの準備の最中に体調を壊した母は自分の体力に自信がなくなっています。 
もし、また心臓の発作を起こしたりして由紀子を迎えに行けなくなったらどうしょう・・・そんな不安を抱いていた私は思い切ってこの学童に助けていただくことにしたんです。 
最初は週に一度程度のつもりでしたが、由紀子の性格からして特別な行事にすれば拒否をすると思うので、毎日の生活の中に組み込んでしまうことにしました。 
学校が終わったら学童で私を待つ! 
それが当たり前になるように初日から預けることにしました。 
預かってもらうのは1時間ほどですが、以前のように何時何分までにお迎えに行かなければ・・・というプレッシャーがないのでとても気持ちが楽です。 
 
働いてもいないのに・・・そんな罪の意識も感じますが、誰も知った人がいない土地で暮らすのですから、誰かに助けてもらわなければ・・・。そう自分に言い聞かせている私です。 
  

 

 
  2005/4/13(水)
      成長
  
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今日はねーねーがお友達にもらったマリオネットで遊びました。 
大学時代に人形劇のサークルで活動をしていたねーねーはさすがに人形の操作が上手です。 
由紀子はすっかり、その人形にはまってしまいました。 
ねーねーのまねをして、人形に動作をさせる由紀子・・・。 
泣いている様子 
怒っている様子 
感情表現も試みようとします。 
ちょっとコミュニケーションの成長を感じさせてくれました。 
 
先日も私が「あれ?めがねを何処に置いたっけ?」と独り言のようにつぶやくと、本を読んでいた由紀子がさっとめがねを渡してくれると言うことがありました。 
こんなこと、普通の人なら当たり前のことですが、最近まで由紀子はそんな反応をすることはありませんでしたのでちょっとビックリしたのです。 
 
小さな成長です。 
最近は思春期の揺れで、辛い変化ばかりだった由紀子のこの小さな成長は私をとても勇気付けてくれた気がします。 
もしかしたら、辛い変化にばかり気を取られていた私は今まで由紀子の小さな成長を見逃していたのかもしれないのですが・・・。
  

 

 
  2005/4/14(木)
      遠足は嫌い!
  
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昨日、学校から帰ってきた由紀子が急に遠足の話をしました。 
「遠足は嫌いなんだぁ!」( ̄□ ̄) 
(・・。)…ん?  
確かに20日は遠足になっているのですが、何が気に入らないのかしら? 
ちょっと気になりましたが、最近は何でも反抗をするのが常になっているのであまり気にしていませんでした。 
でも、今朝になってもしつこく「遠足は嫌い!行かない!!」を繰り返します。 
はじめは「バスで行くんだよ!」とか「お弁当を作ってあげるから・・・」とか何とか気持ちを変えようと努力した母ですが、あまりのしつこさに 
「そんなに遠足が嫌いなら、先生にそう言えばいいでしょう!!」と、言ってしまいました。(ちょっと反省!) 
すると、由紀子がそうか!と納得したように「先生に遠足は嫌いって言うんだよ!!」(やっぱりまずかったよね!) 
 
その嫌いの理由がわかったのは登校してからです。 
昨日先生が「明日は遠足のお菓子を買いに行きます。」といわれていたのだそうで・・・。 
最近、スーパーの中に流れている音楽が気になって行きたがらない由紀子はそのせいで「遠足がきらい!」と言っていたのです。 
昨日からのいきさつを担任の先生に話して、帰って来ましたが由紀子は買い物に行けたのでしょうか? 
 
結果は・・・。 
やはり行けなかったようです。ρ(-.-、)  
今日の連絡帳は中学部主事の先生からでした。 
みんなと一緒に出かけなかった由紀子を主事の先生が引き受けてくださったようです。 
たぶん由紀子はパニック状態だったと思うのですが、ゆっくり話をしてくださり落ち着いた後は一緒に校内を散歩してチューリップを探したり、蝶々をみたりしてくださったようです。 
「買い物はできませんでしたが、心地よい季節は味わえました。」と連絡帳に書いてありました。 
 
買い物にみんなと行けなかったことは残念ですが、由紀子はとてもいい時間を過ごさせていただいたようです。 
そのおかげでしょうか、家に戻ってからはとても落ち着いて機嫌のいいゆきこでした。 
 
そろそろ学校で自分を出し始めた由紀子・・・きっとこれからが大変です。 
先生方が手を焼く様子が目に浮かぶようです。ε-(_- ヾ)ハァ 
でも、主事の先生が 
「本当の自分を出さなければ、指導はできませんからね・・・。」 
と言ってくださったことで、母はちょっと気持ちが楽になりました。 
その為に、養護学校への進学を決めたんでしたよね!! 
 
  

 

 
  2005/4/16(土)
      肩こり
  
今日は動作法の訓練の日でした。 
新年度最初の訓練なので自己紹介がありました。 
子どもたちはそれぞれ進級してお兄さんや、お姉さんになりました。 
トレーナーの先生方も転勤で勤務先の学校が変わった方もいっぱいです。 
それぞれの春がここにもいっぱいありました。 
 
訓練が始まってトレーナーに子どもたちを渡した後で、保護者の話し合いがあって由紀子とはしばらく別行動になりました。 
話し合いが終わって戻ってみると由紀子の姿がありません。 
「あれ?うちの姫は?」と、回りの先生方に言うと 
「姫は帰ると言って出て行ったので、F先生が追いかけてます。」 
 
(→o←)ゞあちゃー ここでもか!! 
慌てて外に出てみると、廊下で先生と押し問答をしています。 
私の姿を見て慌てて戻ってくる由紀子です。 
そして、「だめだよ!泣いちゃ!  だめだよ!噛んじゃ!」と繰り返しています。(いつもの自首です。(笑)) 
 
そうそう!泣いちゃダメだよ!・・・ 
え?!噛んだの?w(・0・☆)w  
びっくりして問い直すと 
「先生の顔を噛んじゃダメだよ! だめだよ!噛んじゃ!」と繰り返します。 
今日の担当のトレーナーの先生は独身の若い女の先生です。まさか顔をかんだのではないかと思って、急いで先生に尋ねに行きました。 
 
でも、先生は噛まれてはいませんでした。ε-(_- ヾ)よかった!! 
 
由紀子は訓練の最中に指示された姿勢がとれずに苛立ってパニックになりかけて外に出たようですが、そのパニックの最中に先生の顔に噛み付きたい衝動に駆られたのでしょう・・・(怖い!) 
でも、その気持ちを我慢したと私に言っているようです。 
「えらかったね!!」と誉めてやりました。 
よく思いとどまってくれました。 
本当によかった!! 
 
その後はまた落ち着いて訓練に参加をすることができましたが、そのときのトレーナーの先生の話では、ビックリするほど由紀子の肩の筋肉が硬くなっているそうです。 
きっと新しい環境の中で緊張して肩に力が入って凝っているのでしょう。 
そういえば、2.3日前頭痛がすると言ってゴロゴロしていることがありました。あれは肩こりから来た頭痛だったのかもしれません。 
かわいそうに・・・・。 
でも、この日訓練の中で肩の筋肉をほぐしていただいて少し気分がよくなったのでしょうか、夜はいつもより早く寝付いてしまいました。 
明日から私が少しマッサージをしてやりたいと思います。 
 
でも、母も肩がガチガチなのよねぇ〜。誰か私の肩もほぐして〜〜〜! 
  

 

 
  2005/4/18(月)
      個人面談
  
今日は由紀子の学校へ個人面談に行ってきました。 
由紀子が通う養護学校には寄宿舎があって長崎県内の各地からたくさんの子どもたちが親元を離れて生活をしています。 
その為にこの学校では家庭訪問ではなく、親が学校へ来て個人面談をする方法をとっているのだそうです。 
 
養護学校のシステムになれていない母はまだ戸惑うことばかりです。 
地域の小学校に通っている時の由紀子は特別な存在でした。 
普通の子どもたちと一緒に活動するために、行事ごとに先生方といろいろな話合いを重ねて配慮をお願いしてきました。 
でも、養護学校に入ったら由紀子はもう特別な存在ではありません。 
 
今までは新学期になって教室が変わる度にトイレに場所や特別教室を確認させるために事前に由紀子を学校へ下見に連れて行きましたが今年は先生がやってくれるのでその必要はありませんでした。 
 
担任の先生が代わる時には、始業式の前に先生に由紀子の障害についてたくさん説明をさせていただきました。でも今年は由紀子だけ特別にそんな時間を取っていただく理由が見つかりませんでした。 
 
今までは由紀子の学校での様子を伝えてくれた回りの子どもたちももういません。子どもたちに由紀子の障害について説明もいらないのです。 
 
母は何をすればいいのか、何をしなくていいのか解らなくて・・・不安でいっぱいなのです。(ノ_・、) うるうる 
 
でも今日は面談です。やっと担任の先生とゆっくり話をすることが来ました。 
 
学校での由紀子の様子ですが・・・今のところ大きなパニックを起こすこともなく、落ち着いて生活をしているようです。しかも、なんとクラスのリーダー的な存在だといわれます。(〃・o・〃)アングリ・・・・・ 
先生の手伝いなど一生懸命にやっているようです。 
いままで、みんなに助けてもらいながら後からついていくことの多かった由紀子が・・・何だかビックリしました。 
もしも、このままリーダーとしての役目を続けることができたとしたら由紀子の新しい成長が見られるかもしれないとちょっとうれしくなりました。 
 
クラスの中にまだ落ち着かない子どもさんがいて、そちらに手がかかるために由紀子はひとりでパズルをしたりする時間が多くて申し訳ないと先生は言われましたが、今は仕方がないと思っています。 
由紀子も学校に馴染むまではゆっくりとした時間が必要かもしれません。 
 
でも、この由紀子の静かさに母はちょっと不安も感じます。 
まだ、自分自身を出すことができずにいるのかもしれません。 
いつものことですが、由紀子は新しい場面では一生懸命がんばって、おりこうさんを演じますが、慣れてくるとだんだん難しい一面を見せるようになります。 
先生にもそのことはお話して来ました。 
たぶん運動会の練習の頃から荒れ始めるかもしれません。 
みんなが落ち着いてから、由紀子の番かもしれないということです。 
 
先生方と1時間余りお話しをしてきました。 
たくさんお話をしてきたのですが、正直言ってまだ養護学校の流れがわからないままで不安が残っています。 
これはもう、自分でゆっくりつかんでいくしかないようです。
  

 

 
  2005/4/19(火)
      性教育
  
大村に引っ越してから最初の性教育がありました。 
学校の給食を食べてから早退してJRで長崎へ向かいました。 
 
由紀子はJRの車内アナウンスが大好き。 
駅が近づくたびに「次は諫早です。諫早では左側のドアが全部開きます。・・・・」等のアナウンスが流れるのですが、駅によっては前のドアしか開かなかったり、右側のドアが開いたりするわけで・・・。 
いろいろなパターンを覚えた由紀子は流れるアナウンスに合わせて一緒にせりふを言います。 
ところが最近、新手の遊びをはじめました。 
「右側のドアが全部開きます。」と、アナウンスが流れた後に「左側のドアが開きます」と大きな声でいうのです。(笑) 
みんな(・・。)…ん? と言った顔で由紀子をみます。 
横にいる私は笑ってごまかすしかありません。(;¬_¬)☆ヾ(@゜▽゜@)ノ" アハハ 
(ちょっとドキドキです。) 
そんな私の苦労も気にせず、最後には 
「車内の全部のドアが開きません。」..( ̄△ ̄;)エッ・・? 
「ゆきちゃん!それじゃ誰も降りられないじゃん!」(笑) 
と、突っ込むと 
「誰もおりられませ〜〜ん!」 
おもわず由紀子の口を押さえてしまいました。(笑) 
 
そんな珍道中の末に長崎へ・・・。 
久しぶりに主治医のA川先生とM原先生に会ってきました。 
性教育は身体の発育のお勉強から、自分の身を守るためのお勉強へと進んでいます。 
Q「胸を触ってもいいですか?」 
A「嫌!だめよ!」 
 
Q「お菓子をあげるから車に乗らない?」 
A「嫌だ!」 
 
大切なお勉強です。 
 
  

 

 
  2005/4/20(水)
      座り込み?
  
今日は遠足の予定だったのに朝から雨が降っていました。 
遠足は校内行事へ変更です。 
でも、ゆきちゃんはお弁当さえあれば満足です。 
朝から機嫌よく登校したので母はすっかり安心をして、夕方4時にお迎えに行きました。 
学童の部屋へ向かう途中に生徒用の玄関があるのですが、そこに座り込む由紀子の姿が見えたような気がしました。 
( ̄△ ̄;)エッ・・? 
 
恐る恐る覘いてみると・・・担任のH野先生とI橋先生それに学童の指導員の先生に囲まれて由紀子が床に座り込んでいました。 
先生方の話では、学童に行かないと言って2時半からそこに座り込んでいたようです。 
 
「どうして行かなかったの?」 
「・・・・・・・」p(-ω-〃) イジイジ 
私の質問に黙り込む由紀子に、H野先生が小さな声で助け舟を出しました。 
「つかれていたから・・・」ヒソヒソ(  ̄。(・−・)? 
すると由紀子も同じように小さな声で・・「つかれてたから・・・」 
私、怒っていたのについ笑ってしまいました。(笑) 
みんなも笑ってしまって、いまさら叱ることもできなくなってしまったので、次からちゃんと学童に行くと約束をして、「ごめんなさい!」をして帰ってきました。 
 
みなさんにご迷惑をおかけしてしまって・・・本当に申し訳ありませんでした。 
 
でも、この日迷惑をかけたのはこの事件だけではありませんでした。 
帰宅して連絡帳を読んでみると、いったんは中止になった遠足が、天気が回復したということで近くの公園でお弁当を食べることにまた変更になったようです。 
その時に由紀子は歩かないと言って動かず、車で連れて行ってもらったらしいのです。ε-(_- ヾ)ハァ 
帰りはちゃんと歩いたらしいので叱ることは控えめにして、「みんなが歩く時には一緒に歩く!」という約束だけをさせました。 
そろそろ学校にも慣れてきたので、わがままが始まったのだと思いました。 
 
でも、由紀子が寝てから冷静に考えみたら今日の由紀子の反抗にはそれぞれ訳があったような気がしてきました。 
学童に行かなかったのは、私が朝からちゃんと説明をしなかったからです。 
「学校が終わったら学童に行く!」それが日課だと由紀子も納得していると私が勝手に思い込んで、放課後は学童という説明を省いてしまったのです。 
 
昨日は性教育に行くために学童をお休みして帰宅しました。 
そして、今日の朝になっても私が学童のことに触れなかったので、由紀子は学童はもう終わったと思ったのかもしれません。 
失敗でした。ヾ(_ _*)ハンセイ・・・ 
 
そして遠足にしても 
もともと遠足はバスで行くことになっていました。 
そして、今日の朝に「遠足は中止!学校でお弁当を食べます。」と、説明をしました。 
それが、急に公園に歩いていくと言われたわけですから・・・。 
由紀子は予定の変更の連続の中で、戸惑い納得が行かなかったのでしょう。 
 
由紀子の寝顔を見ながら「その場で解ってあげられなくてゴメンね!」とつぶやくしかない母でした。
  

 

 
  2005/4/21(木)
      長崎の家
  
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今日は現川で音楽レッスンです。 
昨日の座り込み事件の後ですから本当は学童にやった方がいいのですが、レッスンは前々から予定に入れてあったことです。 
由紀子にはよく説明をして教室でのお迎えにしました。 
 
教室に行くと由紀子が机に座っていました。 
いつもなら私が迎えに行くとうれしそうにするのに、今日はなんだか表情が変です。 
固まっています。??? 
先生に促されて、帰る準備をしてさようならをして教室を出たら急に元気になりました。???? 
 
その理由がわかったのは、また連絡帳を読んでからでした。 
 
今日は体育の時間に運動場に出たくないと言って教室に居残りをしたようです。 
次の時間にあった学年のレクレーションも嫌だといって先生方を困られせたようです。 
またやってくれたのか・・・。ε-(_- ヾ)ハァ 
 
由紀子は先生がそのことを私に報告をすると思って、教室で固まっていたのです。 
だから教室を出た途端に元気になったわけね! ̄ー ̄)ナットク!! 
浅はかなやつめ!連絡帳を忘れていただろう!!(怒) 
現川に向かうJRの中でお説教を受けた由紀子です。(笑) 
 
でも、今日の由紀子のトラブルの中でH野先生がとてもいい対応をしてくださっていました。 
体育をサボった後の学年行事の拒否の時です。 
教室に残っていた由紀子にH野先生は気持ちを切り替えるためにホワイトボードに今日の給食のメニューを書くお仕事を与えてくださいました。 
それが終わって、再度体育館へ誘ったそうですが由紀子はまだ拒否をしていました。 
そこで、先生は 
@10:11になったら行く 
A10:12になったら行く 
B10:13になったら行く 
さぁ!どれがいい?と聞いたのだそうです。 
すると由紀子は「Bがいい!」と答えたそうで・・・。(笑) 
先生はタイマーをセットして由紀子とその時間を待ってくださいました。 
そして、ベルが鳴ると・・・由紀子は抵抗もなく動いて体育館へいけたというのです。 
その後は順調に日課を過ごすことができたようです。 
 
気持ちを切り替えてやる方法としてとてもいい方法だと思いました。 
そろそろ自分自身を出し始めた由紀子ですが、先生がこうして真正面から向き合って下さることが解って、とてもうれしく思いました。 
そうだよね!これが養護学校なんだよねぇ・・・やっと解ってきた母です。 
 
現川では久しぶりにピアノに触っていろんな曲を即興で弾いたようです。 
楽譜なしで由紀子の感性で鍵盤を叩いて曲にします。 
その中で、自分が知っている曲の音を拾いながら弾いたり・・・本当に楽しかったようです。 
 
でも、ここでも小さな事件がありました。 
レッスンが終わって帰る準備をしている時です。 
由紀子が「おうちに帰ろう!」といった後に、急に涙ぐんだのです。 
最初は訳がわからなかったのですが、「どうしたの?」の問いに、 
涙を流しながら「N町市場のお家!」由紀子がそういいました。 
 
N町市場のお家・・・それは長崎の家です。「N町市場前」というバス停を利用していたので由紀子はそう表現したのです。 
現川から帰ることを考えた時に一瞬、長崎に帰ると間違ってしまったのでしょう。 
胸が痛くなりました。 
今由紀子の頭の中にはどんな思い出がよみがえっているのでしょうか? 
友達のこと、学校のこと・・・楽しかった2年間でしたからね。 
 
でも私は、「大村の家に帰ろうね!」としか言ってやれません。 
もう、始まってしまった新しい生活に馴染んでいくしかないのですから・・・。 
由紀子もその後、すぐに立ち直って元気になりました。 
きっと由紀子にもわかっているはずです。 
  

 

 
  2005/4/23(土)
      似顔絵
  
今日は長崎へ由紀子の髪を切りに行ってきました。 
大村で新しい美容院を探そうと思ったのですが、なかなか踏ん切りがつかないまま1ヶ月が過ぎてしまい、由紀子の髪は伸び放題になってしまいました。 
そろそろ限界なので、ゆきパパに車で連れてきてもらいました。 
いつものように短く切ってもらい、つながってしまった眉も切り離し(笑)、鼻の下にひげのように生えていた産毛もそってもらいました。ヾ(*゜▽゜*)ノ あはは 
なんだか顔がすっきりしました。 
由紀子の顔にかみそりを当てるのは母親の私も怖くてできません。 
やっぱりここに来てよかった!o(*^-^*)oニコ 
 
ゆきパパとの帰りの待ち合わせまで時間があったので、別のところで用事を済ませたねーねーと合流してドーナツを食べに行きました。 
そこで由紀子がチラシの裏に家族の似顔絵を描きました。 
それがよく似ているんです。(笑) 
 
 
まーまー(マー子)とお父さんの絵がそっくりですが、実物もそっくりなんです。(笑) 
 
  

 

 
  2005/4/24(日)
      アイスクリーム
  
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今日は朝からすごくいい天気! 
どこかへ出かけたくなりました。 
大村にはシュシュという所においしいアイスクリームがあると聞いていたので行ってみることにしました。 
 
でも、由紀子は・・・「行かない!アイスクリームは食べない!」(((p(>o<)q)))いや!!! 
昨日も長崎まで出かけたし、由紀子の気持ちもわからないことはなかったのですが、こんなにいい天気です。やっぱり家族で出かけたいじゃないですが・・・。 
30分ほど説得をして、やっと車に乗せてしゅっぱ〜つ! 
初めての場所なので迷いながらやっとたどり着くと、そこには藤の花がきれいに咲いていました。 
由紀子もあんなにごねたのにアイスクリームを前にしたら大満足! 
 
ここはイチゴ狩りもできるそうで・・・来年はイチゴ狩りにもチャレンジするぞ!
  

 

 
  2005/4/25(月)
      なんで?
  
大村に来て1ヶ月が過ぎました。早いですよねぇ・・・。 
長崎の病院でもらってきた由紀子のアレルギーの薬がなくなりました。 
何処がいい病院なのか聞く人もいなくてずっと迷っていたんですが、早く小児科を見つけてもらわなければ・・・。 
思い切って我が家から一番近い小児科へ行ってみることにしました。 
 
学校へ迎えに行ってそのまま小児科へ・・・。 
ちょっと古い病院ですが、待合室に大きな滑り台があって由紀子は喜んでいました。 
ところが・・・。 
受付に長崎の小児科でもらった紹介状を出して、ずっと飲んでいる薬があるのでそれを出して欲しいとお願いをしたら、受付の看護婦さんが2人でヒソヒソ・・・。 
感じが悪いと思っていたら 
「すみませんけど、うちにはその薬はありませんので他所に行ってください。」 
(・_・) エ? 
「この薬、そんなに珍しい薬なんですか?」 
私の質問になんとなく歯切れの悪い看護婦さんです。 
 
結局断られてしまいました。 
 
なんで?????? 
 
帰り道、だんだん腹が立ってきました。 
「薬がなければ薬屋さんから取り寄せてくれればいいじゃない!」 
そして、苛立ちが治まってゆっくり考えてもどうして断られたのかが理解できないのです。 
思いたくはありませんが、由紀子が自閉症だからでしょうか? 
そうじゃないのなら、もっときちんとした説明をして欲しかった・・・。 
 
大村に来て今日まで出会う人たちはみなさんいい人ばかりでした。 
大村は優しい人たちが多いと喜んでいたのに・・・初めて嫌な思いをしました。
  

 

 
  2005/4/26(火)
      心電図
  
学校では健康診断が連日行われています。 
今日は心電図。 
 
心電図と言って思い出すのが、小学校に入学してすぐの健康診断です。 
心電図の検査があるというので、前日に家で胸に器具を貼り付けるまねをしたりして、由紀子が無事に検査を受けられるように一生懸命説明をし、練習をしました。 
そのおかげか、当日の検査の時にベットに横になって器具もつけることができたのですが、すぐに泣き出してしまって途中で中止をしました。 
ギリギリ測れたかもしれないし、だめだったかもしれない!と、言われていたのですが、1ヵ月後に保健室から連絡票が来ました。 
その紙には「頻脈のために再検査!」と書いてありました。(笑) 
結局保健室の先生も由紀子が怖くてドキドキしていた性だと解ってくださっていたので再検査はありませんでした。 
でも、その時に由紀子はわがままで嫌がっているのではなく、本当に怖くてドキドキしたのだと解ったのでした。 
 
あれから6年です。 
今日はちゃんと検査を受けることができました。 
v(・▽・)ヾ(^-^*) エライエライ 
担任の先生は今日の由紀子の様子をみて、胸に器具をつけるときに目が見開いて本当に怖そうでした。といわれました。 
また再検査の連絡票が来なければいいのですが・・・(笑) 
 
そうそう! 
病院ですが近所の内科が引き受けてくれました。 
薬も問題なく出してもらってきました。 
看護婦さんたちが由紀子にわかりやすく話しかけてくださって、とても優しくしてくださいました。 
 
昨日行った小児科が断ってくれてよかったのかもしれません。 
いやいや受け入れてもらっても後から何かトラブルがあったかもしれませんからね・・。 
 
内科的なフォローをしてくれる主治医も決まって、やっと学校へ提出する書類が書けます。 
よかった!