1999年1月

1日(金
あけましておめでとうございます。
今年は親戚に喪中が多くて挨拶回りも少なく寂しいお正月です。
お昼から初詣に神社に出かけたけれど
由紀子は神社が嫌いらしくずっと泣くので私と2人で出店の所で待っていた。

2日(土
テレビも由紀子にとってはおもしろくなくてほんとに退屈なお正月。
おじいちゃんにもらったお年玉をもって街に行くが、ただ歩いただけで何も収獲なし。

3日(日)
おじいちゃんが食事に連れていってくれた。
今年は私の姉の所が参加しなかったのでちょっとさびしかった。
由紀子もあまり食欲がなくあまり食べない。

4日(月)
今年最初の保育園だったのに2回も吐いてしまったらしい。
昨日食欲が無かったのも胃腸の調子が悪いせいだったらしい。
気づかなくてごめんね。帰宅しても食欲はない。夜に下痢。

5日(火)
念のために保育園を休ませて様子を見る事にした。
午後から少し食欲も出てきて夜に普通のうんちも出た。
他には風邪の症状はないのだがやはり風邪かな?
家にいるとついつい退屈してビデオを見せろ言われて見せてしまう。
他の遊びに誘っても「おしまい」の一言で拒否されてしまう。
由紀子とどうやって遊ぶかこれが小学校に入ってからの私の課題です。
保育園に頼りすぎた付けが回ってきた感じがする。

6日(水)
保育園では給食のおかわりもしたらしくやっと調子が戻ってきたようだ。
今日は出初め式を見に行ったらしい。
毎年大きな音におびえて耳をふさぐ由紀子が
今年は文団の人の真似をして手を振って行進したらしい。
帰宅して聞き出すと「赤い消防車」と一言答えてくれた。

7日(木)
何かを聞くと「はーい」と答えていた由紀子が「うん」といった。
誰かの真似をしているのかもしれないけれど、自然な感じがしてうれしかった。

8日(金)
押し入れの中に入るのが大好きな由紀子。
いつも誰かを呼んでいれてもらうのだが今日はみんなに無視されてしまった。
どうするかなと思っていたらトランポリンを引っ張って押し入れの下に置いて登り出した。
上り下りの時のはずむ感じがいいらしく登ったり降りたり何回も繰り返していた。

9日(土)
最近テレビを見ながら場面を解説する由紀子。
「ころんじゃった。」「泣いちゃったえ〜ん!」「こわした!」
とても表現が豊かになったと思う。
特に今日は主人公が転んだ時に
「どうしたの?転んだ?」
と疑問文のような感じで私に話し掛けてきた気がした。
みんなは気のせいだというのだが。

10日(日)
ふとんにはいる時私に「ばいばい」といって
側に寄らせてくれなくなって久しい。私は寂しい。
お父さんやおねえちゃんたちとは寝るのに。
ちょっとでも覗くと大きな声で「ばいばい!」という。
おねしょをした時はすぐに呼ぶくせに!
おねしょが夜中に2回の時もあってちょっと困っています。

11日(月)
寒いせいか朝になかなか起きない由紀子。
「起きなさい。保育園に行くよ」と声をかけると「お母さんいってらっしゃい」と答える。
困ったもんだ。

12日(火)
街に出た時に粘土のセットを見つけて買ってきた。
療育センターでやったクッキー作りの真似をして型で抜いたりして遊ぶ。
由紀子がはまったのは小さく丸めた粘土を指でつぶす事。
自分では丸められないので私に丸めろという。
何個も何個もあきずに潰していた。

13日(水)
保育園からみんなにもらった年賀状をもらってきた。
みんな上手に字も絵も描いていた。
由紀子も書いたのかな?
最近はお絵描きもしなくなっている。
マジックもかけなくなっているし、買い換えてやらなくては……。
パズルも一時期熱中してやっていたが今はぜんぜんしなくなった。
次ぎは何に凝るのかな?

14日(木)
保育園でみんなのカルタとりの中に入って一緒に座って見ていると教えてもらった。
字を読んだりして遊んでいるらしい。
そう言えば買ってやったカルタを一人で見ている事がある。
あれは読んでいるのかな?

15日(金)
今日はお父さんのお誕生日。
ケーキに火を付けて電気を消すと目をキラキラさせて「おたんじょうび!」と大喜び。
お父さんより早くロウソクの火を吹き消してしまった。

16日(土)
今日は若竹の会の話し合いがあったので午後からも保育園に預かってもらった。
以前にも居残りをしたことがあったので大丈夫だろうと思っていたのだが
迎えに行ってみると機嫌の悪いこと・…。
先生が「ドレミの歌」のレコードをかけたといってパニックっていた。
先生方、申し訳ありません。

17日(日)
朝から長崎へ。
ジェットフォイルを降りたときに
療育センターのバスが待っていないとパニックになる由紀子。
何とかしようと土曜日の夜から
1番はジェットフォイル。
2番はタクシー
3番はホテル
4番はトイザラス。

と絵まで書いて繰り返し教えた。
そのおかげで長崎に着いたとき「タクシー」と自分で言ってスムーズに移動ができた。
ヤッター!

18日(月)
療育センターへ。Hさんと同じ船になる。
療育センターでの由紀子の様子を見て
「自分の子供と違って黙って座っていられる、
自分の子は普通学級に行くのに授業中のことが心配だ!」
といわれる。
何度も障害の違いを話しても
目の前に見えることしか理解してもらえないらしく
自分の子どもの方が重度だと言って聞かない。
困った。

19日(火)
久しぶりに保育園へ。
お土産を持っていったのでいつにも増して人気者だったらしい。
「ゆきこちゃん、ありがとう」
の声に
「どういたしまして、ありがとう」
と1回1回答えていたらしい。

20日(水)
痙攣!

痙攣発作メモ
1999・1・20
朝食をほとんどとらず。
9:30  保健所にて巡回相談(ボールプールで遊ぶ)
10:00 会場で急にゴロゴロしはじめる。だるそうに見える
10:15 帰宅。吐き気がするように見える。フトンに横にす
ると、うとうとし始める。
10:25 正座の状態なり枕にもたれて吐く。
  ・目は上向き、遠くを見つめた状態
      ・呼んでも反応なし
3〜5分間  ・手もみが続く
      ・尿失禁
       横にして熱を測る38.5度
呼びかけると「ハイ」と小さな声、反応が鈍い。
10分後「ユキちゃん大丈夫?」の問いに「だいじょうぶ」と返事
11:00 五島病院受診「複雑部分発作」との診断


21日(木)
脳波を撮りに行ったが失敗。

22日(金)
念のために保育園を今日まで休ませる。
由紀子は元気だが私は何をする気力もない。
がんばらなくてはと気持ちだけが空回りしているような気がする。

23日(土)
今日から保育園へ
先生に
「保育園で発作を起こして何かあったとしても、
それは保育園の責任ではありません。」
と言ってきた。
手元から離して預けるのだからそれくらい覚悟しなければと思う

24日(日)
昨日近所の三歳の子どもさんが階段で痙攣をおこしたと聞く。
幸い近くに大人がいて抱きとめてけがはなかったらしい。
ほかの子も起こしているのかと安堵した気持ちと
階段のような危ないところで起きたときの不安が入り混じって
またつらくなってしまった。

25日(月)
由紀子は元気に保育園に通っている。
私は落ち込んでいる暇もなく自閉症ネットワークの打ち合わせに……。
私には強いというイメージがあるらしく。
落ち込んだ顔をしていると必要以上にみんなが心配するのでどうしても笑っていなければならない。
少しつらいけど、そのせいでいつも立ち直りが早いような気がする。

26日(火)
脳波2回目の挑戦も失敗!
お父さんにまで休んでもらって挑んだのに、
8時30分から座薬を使って14時30分まで眠りかけては起きるの繰り返し。
何かが始まるという感じがあるらしくどうしても眠ることができない。
座薬を追加するたびに
「おしりのくすり」
と言って半べそかきながらお尻を差し出す由紀子に涙が出そうになる。

27日(水)
保育園にむかえに行くと
「おうちに帰ろう」
としつこく言う。
「おうちにかえるに決まってるじゃん」
と答えながら
どうしてそんなに聞くのか解らなかったが、
今思うと病院に連れて行かれると思ったのかもしれない。

29日(金)
節分用の鬼の面作りが保育園では始まっている。
由紀子が休んでいるうちにみんなのお面がどんどんできていたので心配していたけれど、
今日お友達に手伝ってもらって半分完成したとお手紙があった。
自分で赤い色紙を選んで貼ったらしい。

30日(土)
風邪が我が家にやってきたらしく次々と熱を出して寝込んでいく。
それほど高い熱は出ないがせきがひどい。由紀子がもう熱を出しませんように。

31日(日)
久しぶりに由紀子を自転車の練習に連れ出す。
補助付の自転車で相変わらずゆっくりと広場を進んでいく。
でも、自分の行きたいところを目指して進めるようになったようだ。
足の力がつきそう