1998月8月

1日(土)
お父さんが北海道から帰ってきました。
予定では由紀子を保育園に連れていってから
私一人で船まで出迎えに行くつもりだったのに、
車が保育園に着いても由紀子が降りませんでした。
どう説得しても「おしまい!」と言って聞きません。
その時、由紀子はお父さんのお迎えに行きたいのかもしれないと気がつきました。
そこで「お迎えに行くの?」と聞くと「行こうか!」と答えた。
とうとう保育園をお休みしてお迎えに行きました。
お父さんを見つけると大きな声で「お父さん」といって走り出した。
やはり状況は分かっているようだ。

2日(日)
今日は若竹の会の海水浴だった。
海が大好きな由紀子はずっと水に入って出てこない。
いろいろなイベントが用意してあったのに何もせず、ただ水の中だった。
でも、浮き袋の中でニコニコしている由紀子の顔を見ていると本当に幸福そうで、
これでいいかと思ってしまった。
でも、お父さんは北海道から帰ってすぐ海だったので辛かったようです。
夜、日焼けした背中が痛くてお風呂のお湯を嫌がる由紀子でした。

3日(月)
保育園の先生にもよく日に焼けましたねと言われるほど黒くなった由紀子ですが、
疲れている親とは違って元気そのものです。
毎日プールや海で欲求が満たされているのかパニックを起こすこともなくニコニコと上機嫌です。

5日(水)
学習合宿に行っていたお姉ちゃんが1週間ぶりに帰ってきた。
保育園から帰宅して座っているお姉ちゃんの顔を覗き込んで
「ねーねーだ!」といって嬉しそうにしていた由紀子でした。

6日(木)
数日前から機嫌がいいと思っていたけれど
今日はケラケラ声を上げて笑いながら家中走り回っていました。
何か保育園でいいことがあったのかな?と家族で話すほどでした。

7日(金)
今日で保育園のプール遊びも終わりでした。
保育園=プールのような生活だったので、
来週保育園でパニックにならないか少し心配です。
本人は何も知らず寝てしまった。

8日(土)
家族でプールへ。
浮き袋に入れてやるとくるくる回って楽しそうに浮いている。
子ども用のプールでは階段を上ったり降りたり、
プールの端につかまって浮いてみたり、
自分で遊びを工夫しているように見える。
帰りにまたうどん屋さんに寄って大好きなうどんを食べた。

9日(日)
外に連れ出した時に歩き方がおかしいので靴を脱がしてみると、
親指のつめから血が出ていた。
自分でかんだようだ。
手の指の爪がなくなってしまって、
噛むところがなくなると足の爪まで噛んでしまう。
前回OTの先生につめかみの代用品としてホースを教えてもらってから、
少しは改善してきたと思っていたのに、いつ噛んだのだろう。

10日(月)
今日は東京から遊びにきているお父さんのいとこ一家が食事にきました。
由紀子は少しストレスだったのかとなりの部屋で絵本を読んだり、
おもちゃで遊んだり静かだった。
みんなが帰ると今度は急にハイテンションになって、なかなか眠れなくなってしまった。

11日(火)
保育園で昼寝前に鼻血を出したらしい。
少し風邪を引きかけているのかもしれない。

12日(水)
保育園でセミ取りに行って初めてセミに触ったと、手紙にあった。
恐がりで、ニワトリも犬も猫も見ると
「○○さん、こわいよ!」
といって後すざりする子が良く触ったなあと感心してしまった。

13日(木)
今日からお盆なのでお墓に提灯をともしにいった。
去年は私に抱き付いて離れなかったが
今年は花火をしたり親戚のおばさんのひざに座ったりとても社交的でした。
でも、帰宅して急に泣き出し、おお泣きの後はけろっとしたり、
やはりストレスだったのかもしれない。

14日(金)
保育園が休みなので家でごろごろしていると突然
「ばーばー(おばあちゃん)いこう」と言って立ち上がった。
どうしようかとお姉ちゃんたちと話しているうちに、
さっさと靴を履いて外へ出ようとする。
よっぽど退屈だったのだろう。夜はまたお墓でした。

15日(土)
由紀子とお父さんと3人でプールに行った。
この前まで浮き袋でぷかぷか浮いているだけだったのに、
今日は自分でバタ足をして移動することを覚えた。
元々好きなプールがまたまた大好きになったようだ。
プールの後、お父さんとお昼ご飯は家で食べようと決めて、
由紀子に帰ろうかと声を掛けると「うどん」と言って走り出した。
プールとうどんはセットになってしまったようだ。

16日(日)
昼間、洗面所で水遊びをして洋服が濡れてしまったので、
もうお風呂に入れてしまうことにした。
一緒に遊んでいるうちに悪乗りしてボディーシャンプーを湯船に入れてバブルバスにして遊んだ。
もったいないなと思ったが、由紀子が大喜びするので止められなくなってしまった。
正直言って私も楽しかった。

17日(月)
太鼓の練習が始まっていた。
由紀子はどうしているのだろう。
運動会が楽しみなような恐いような。

18日(火)
保育園に高校生の子がボランティアにきてくれているようだが、
世話を焼いてくれる人を見抜くのが上手な由紀子は
さっそく着替えなどを手伝ってもらおうとわざとゆっくりやっているらしい。
洋服をもってお姉さんのところに行ったりした時、
O上先生と目が合うと
「O上先生!!自分のことは自分でしましょう!」
といいながら決まりの悪そうな顔をするという。
その様子か目に浮かぶようです。

19日(水)
明日は就学相談だ。
学校訪問の記録をお父さんと読み直しながら、
するべき事はやった!と確認し合って明日は何を言われても結論を出さずにおこうと決めた。

20日(木)
就学相談。お父さんと3人で緊張していった。
知能テストと精神科の先生の診察を受けた後、
県教委の先生の相談だった。
「親御さんはどうお考えですか?」と質問されて、
お父さんが「私たちは普通学級、特殊学級にこだわってはいません。」と答えたら、
「そうですか、後は市の教育委員会と相談して子どもさんが幸せになるように決めてください。」
と言われて終わりだった。
あっけない終わりに気が抜けてしまった。

21日(金)
保育園でお誕生日会があった。
8月はいつもお化け屋敷。
由紀子は一人で入ったらしく
「こわい、こわい」
と言いながら立ち止まったり、後すざりして泣き出したり、大変だったようだ。
夜は、お父さんの学校のATさんが食事に来た。
今年は黒人の女の人で明るくてすてきな人だった。
でも、日本語がまったく話せず、辞書だけを頼りに過ごした4時間はハードでした。
由紀子の自閉症も理解してくれて「キュート」と言ってくれた。

22日(土)
若竹の会のキャンプだった。
泊まっても由紀子を寝せる自信がなかったので日帰りにした。
キャンプ場での由紀子はアスレチックの遊具が気に入って、
目を離すとすぐに走り出してよじ登ろうとする。
自分でできるのならばいいのだが少し高いところになると、
大きな声で「おかあさん!おいで」と叫ぶ。
自分のしたいことを表現したり、
私を呼んだりできるようになったは嬉しくてたまらないが、体力がもたない。
暗くなると「おんぶ、ダッコ」といって地面に立ちたがらない。
もうクタクタです。

23日(日)
久ぶりの雨で、気持ちいい朝だった。
昨日テントに泊まった若竹のメンバーはどうしただろう。
昨日のせいか腕と背中が痛くて由紀子の相手がしにくい。
来年は誰か家族も一緒に行ってもらおうと思う。

24日(月)
お迎えにお姉ちゃんたちも一緒に行った。
教室まで自分たちだけで行くというのでやってみたが、
由紀子は大喜びで二人に手をつないでもらってニコニコでした。
ネーネー(長女)。マーマー(次女)。と呼び続けて車の中でも大騒ぎでした。

25日(火)
保育園では運動会の練習が始まっている。
今日は組みたいそうの練習だった。
みんなの真似をしながら少しずつやっていると聞いて少しほっとする。

26日(水)
川崎先生に療育センターでの最後の診察をしていただいた。
就学について先生も特殊学級がいいだろうと言われた。
将来養護学校の高等部に入れるのが目標ですと言ったら、
先生は
「私はもっと高いところを考えている。
単純作業のような仕事なら自立できるかもしれない。

と言ってくださった。
希望を持ってがんばろうと思う。

27日(木)
昨日の疲れだろうか、鼻血が出る。
福祉事務所から電話があって療育手帳を取りにくるようにと連絡があった。

28日(金)
療育手帳をもらいに行った時、
もしかしたらと思って特別児童手当の所得制限の限度額を聞いたら我が家でも大丈夫だった。
ヤッタ!と思ってセンターに電話をしたら由紀子の知能指数では無理かもしれないと言われた。
やはり我が家に手当は縁のない物だった。療育センターに月に2回連れていきたい。
音楽教室に通わせてやりたい。

29日(土)
保育園では運動会の練習が本格的になってきた。
リレーの組み分けにともなって教室の中でも班分けをしたと先生からお手紙があった。
机がかわって、元の席に座りそうになると
回りの子どもたちに「ちがう!ちがう!」と言われながらお昼ごろには切り替えができたらしい。

30日(日)
午前中にお父さんと3人でプールに行った。
今日は帰りにうどん以外のものが食べたいと言うお父さんが
由紀子を説得してちゃんぽんを食べに行く事になった。
ところがお店がみんなお休みで、
結局うどんを食べる事に…
でも、由紀子は「ちゃんぽん」と言ってすごく不機嫌。
お父さんは再び説得。たいへんでした。

31日(月)
昨日の夜は福江の少年少女合唱団の発表会を聞きに行った。
このまえ大人の合唱祭をずっと聞いていたので大丈夫だろうと思っていたら、
暗くなっていた会場に入れなくて私に抱かれたままロビーで聞く事になってしまった。
聞こえてくる歌は好きな歌ばかりなので曲が途切れると「おうた」と言う。
思い切って休憩時間に無理やり連れて入ってみた。
初めは泣いていたが舞台の幕が開くと黙って聞き入っていた。
大好きなトトロの歌にはニコニコしていた。