1998年4月

1日(水)
思いがけず担任が尾上先生だった。
朝に2階からO上先生の声が聞こえた時『やったあ!』と思った。
就学相談の事など心配な事が多いけれど、
これでなんとか乗りきれそうな気がする。
由紀子より私のほうがうれしそうだと夫に言われてしまった。

2日(木)
由紀子が座って靴を履いている由紀子を見て、
O上先生が「立って靴を履く練習をしよう」と、由紀子に言っていた。
「小学校に入ったらたくさんのお友達と一緒だから座ってなんていられないよ」
といわれてその通りだと思った。

3日(金)
水遊びがだんだんエスカレートしていくような気がする。
その辺にある物なんでも水の中に浸かっている。
乳液、歯磨き粉ets。
全部ふたを開けて中身を水に溶かしてしまう。
急に止めるとパニックになるので、
他に気を向けてからやめさせるようにしている。
でも、私のほうがパニックになりそう。

4日(土)
今日はお父さんの職場の方たちとお花見に行った。
今日はみんなにうまく馴染んで楽しそうだった。
歌を歌ってみんなに誉めてもらったりして上機嫌だった。

5日(日)
昨日は夜中に久々のパニックを起こして30分ほど泣きつづけた。
やはり花見のストレスだったのだろうか?  
朝遅く起きてきた由紀子は1日元気だったが、
夕方になってまた昼寝をしてしまった。
昨日の夜のパニックのせいかな。
でも、今日の夜はいつ寝るのだろう。

6日(月)
昨日はとうとう12時まで起きていた。
朝はなんとか7時半に起きられたけれどお昼寝もしなかったらしい。
生活のリズムを壊してしまった。
本人は相変わらず絵本を塗りつぶして、
水遊びに興じている。
私のほうが寝不足で元気がない。

7日(火)
久しぶりにいい天気。
保育園では公園で遊んだと書いてあった。
そのせいかお昼寝もぐっすりだったとか。
生活のリズムを整える最高の薬は運動のようです。
夜も早く寝てくれました。

8日(水)
やっと春休みが終わった。
おねえちゃんたちがいつもの生活に戻ってホッとしたと思ったら
由紀子のせきがひどくなって、また心配。
保育園で咳きこんでよほど苦しかったのか「カゼクスリ」と叫んだそうだ。
明日はお休みしたほうがいいかな?

9日(木)
昨日の夜あまりに咳きがひどいので
「ビップスベポラップ」を塗ってやったら不思議なほど咳きが止まった。
すごいと感心した。
でも、そのかわり(?)に私が風邪気味できつい。

10日(金)
昨日の夜、鼻血が出たが、
その時一人で寝ていた由紀子が
「おかあさん!鼻血!!」
と隣の部屋にいた私を呼んだ。
今まで何回も鼻血を出したが、
いつも泣くばっかりで流れ出てはじめて気がつく状態だった。
少しずつ言葉の内容も育ってきているような気がする。

11日(土)
私の風邪がピークのようだ。
若竹の訓練の日だったけれどどうにも体が動きません。

12日(日)
最近自分でできない事があると大きな声で
「おかあさん」と、私を呼ぶことが多くなった。
今日は大きなボールで遊びたいと
「ねーねー!あそぼ」と言った。
言葉の発達が目に見えて伸びている。

13日(月)
 あまりの天気の悪さにセンター行きをあきらめたら、
午後になって晴れ間が出てがっかりしてしまった。
電話でセンターのかきた先生と相談して
療育手帳の申請を福祉事務所に出してきた。
福祉事務所にはいやな思い出があるので一人で行くのが嫌だったので
保健所に電話をして担当の保健婦さんから、
市の保健婦さんに電話をしてもらって一緒に行ってもらった。
申請書を出して後は児童相談所からの連絡待ちです。

14日〔火〕
 朝から咳がひどくてコンコンしているので、
どうしようか迷ったけれど保育園にやった。
「保育園でも咳は出ているけれど元気はあるので大丈夫でしたよ」と、
O上先生にいわれたが念のために病院へ連れていって薬をもらってきた。
先日、水疱瘡の予防注射を受けた病院だったので
診察室に入るなり泣き出して私にしがみついていた。
「注射はない」と何度行っても由紀子の耳には入らないらしい。
とうとう問診だけで薬を出してもらった。

15日(水)
子ども劇場に行くと友人に
「聖マリア保育園に、
5月からうちの会員さんで障害のある子どもが入るんだってねえ」

と言われた。
この春から年少さんにT中さんが入ったので3人目ということになる。
正直言って、複雑な気持ちだ。
私が先生たちに助けてもらったように
他のお母さんたちもこの保育園で助けてもらえれば幸せだと思う。
でも、手の掛かる子どもが増えれば保育園は大変だろう、
今までのように由紀子のために気を配ってもらえるのだろうか?
環境が変わってしまうかもしれないという不安。
心がせまい!!
自分でもそう思います。
担任の先生がO上先生で本当によかった。
他の先生だったらもっと動揺していたかもしれない。

16日(木)
昨日のことをO上先生にお手紙したら、
「入園してくることは本当ですけど、できることを やるだけ。」
と返事があった。
大変なことをドーンと受け止めてしまう先生に、いつも助けられています。
お迎えに行ったとき由紀子がお友達の中に入ってビーズをひもに通して遊んでいた。
ふと、1年前の知能テストの時を思い出していた。
5分間に何個通せるかという時に指先がうまく使えなくて1個も通すことができなかった。
今日は上手にひもに通して見せてくれた。
1年間でこんなに成長している。うれしい。

17日(金)
家でも保育園でもよくお絵かきをするようになった。
保育園ではちゃんと自由画帳に書いているのに
家では最近塗る事に凝っていて絵本の白いところを見つけては、熱心に塗りつぶしている。
おかげで絵本が真っ赤だったり、真っ青だったり大変な事になっている。
自分の絵本に限って許しているけれど、時には私の本も餌食になっている事もあって目が離せない。

18日(土)
 今日は遠足だった。
天気が悪くて今にも雨が降りそうな中、バスで芝生公園まで行って来た。
本当は車で行くつもりだったけれど、
バスの方が由紀子にとってよい刺激になるかもしれないと思って変更した。
K君が由紀子のことを見つけて大喜びしてくれて、
手をつないでバスに乗り2人で並んで窓の外を見ながら現地まで行った。
私は後ろの席で仲間に入れてもらえなかった。
久しぶりに芝生の上で思いっきり遊ぶことができて楽しい遠足だった。
保育園のお母さんたちも由紀子の障害をわかった上で、
声をかけてくれる人が増えて私も由紀子も楽になった気がした。

19日(日)
 また由紀子の体調が優れない。
食欲もないしくしゃみも出ている。
遠足の疲れだろうか。

20日(月)
 今日は「ポスト感謝祭」で郵便局に行ったとお便り帳にあった。
はがきを書いたらしいのだけど、どんなものを書いたのだろう? 
最近の由紀子の絵はまた丸に目と口だけの顔になった。
それが何ともかわいくて一つ一つ表情が違うのです。
お父さんの顔は大きくて、お母さんお顔はにっこりで、
お姉ちゃんたちの顔は2つ並んでいて・・・・・。
一時期、顔から手が生えたりしていたのだけど、今はまた消えてしまった。
でも1度かけたのだからきっとそのうち足つきで書けるようになるだろうと思っている。

21日〔火〕
 最近夜中に目を覚まして眠れない日が続いている。
9:00頃に一度眠って、
夜中の2:30頃に起きて1時間ほど起きて、
歌を歌ったり、絵本のせりふをしゃべったりしている。
私が一緒に起きていれば別にそれだけのことなのだが、
私がウトウトすると、横ですすり泣く・・・・・
お昼寝をしている由紀子はいいけれど私は眠くてたまらない。

22日(水)
私が熱を出してしまった。
由紀子と二人で交互に体調を崩しているような気がする。

23日(木)
保育園で鯉のぼりを作っているらしい。
今日のお手紙に
『一緒に手伝ってくれたじゅんくんに
「こら!由紀ちゃん。まじめにやれー!」と怒られていました。
それでも、例の笑顔で、
「がんばってください」「おかあさん」「じゃーね」等と、
話していました。あの笑顔にはどの子も弱いみたいです。』
と、あった。みんなに可愛がってもらって幸せな子です。
家では遊びの中に課題を出したりするとすぐに
「おしまい!」と言って拒否する。
小学校のことを考えると少しでも課題に添えるようになるといいのにと思う・

24日(金)
 保育園にお迎えに行ったとき、
由紀子が女の子と追いかけっこをしているのが見えた。
とてもいい笑顔で楽しそうに見えた。
由紀子にもこんな事が有るのだ!と思ってしまった。
保育園では私の知らない由紀子の顔があるのかもしれない。
担任の先生とゆっくり話をしてみよう。

25日(土)
 保育園の給食の時間すごい食欲で周りの子どもたちもびっくりしていたそうです。
先生に「朝食べてなっかたんですか?」と、
聞かれたけれど、朝もしっかり食べていました。

26日(日)
 昼頃から鼻血が出て、
くしゃみが出るたびに、「ティッシュ!!」と叫びながら走ってくる。
鼻の粘膜が弱いので一度出ると数日は続いてしまう。また大変だ!

27日(月)
 久しぶりのお天気だった。
保育園では久しぶりに外で遊んでお昼寝もグッスリだったとか。
先生に由紀子の様子をなるべくたくさん知らせてほしいとお願いしたら、
今日はお当番の時の様子を書いてくださっていた。
保育園ではお昼寝前に蒲団運びとお掃除のお当番があるのだけど、
由紀子はその日の気分で仕事をしているけれど、
毎日ちゃんと仕事をして遊んだりはしていないそうです。
今日はお掃除の当番だったのに途中でいなくなったので探しに行くと
お蒲団を「よいしょ!よいしょ!」と運んでいたのだそうです。

28日(火)
 去年担当してくださっていたM田保健婦さんが
今年からまた担当になったと、家を訪問してくださった。
5月12日に整枝療育園の巡回相談があるので受診するようにとのことだった。
前回プレスクールをお断りしたので、また今度も勧められたらどうしようと思うけれど
せっかくのチャンスだから行こうと思う。
それにしても、今年は担任の先生がO上先生、
そして保健婦さんがM田さんと、
由紀子に最初にかかわってくださった人たちがまた戻ってきてくれて、
就学相談の年に最高のサポーターを得ることができた。
がんばるぞ!

29日(水)
ダスキンのモップを持ってきて何かをしているので見ていると、
またがって「魔女の宅急便」と言いながら部屋の中を走り回っている.
ビデオを見せたこともないのにどこで覚えてきたのだろう。
お姉ちゃんたちに大うけで、由紀子はすっかり気をよくしていつまでもやっていた。
 午後から商店街のグリーンフェスタにお姉ちゃんたちと4人で出かけた。
いろんな出店が出ていて由紀子はいろいろ見ているのだけどこれがほしいと言わない。
スーパーに行ってもそうです。
何回も見に行くものを「買ってあげるよ」と声をかけるとレジに向かって走っていく。
人に話すと「いいねえ」と言われるけれど、
欲しいと駄々をこねられることがどれだけ子どもらしく、買い物のしつけをするチャンスなのか
今思い知っています。

30日(木)
 夕飯の時にお姉ちゃんがよそったご飯を
テーブルに運ぶのが由紀子の仕事になりました。
受け取った茶碗を大事そうに運ぶ姿がかわいい。